今、2つの色で


あのとき悲しかったのも、苦しかったのも事実だけど。


まさか、その感情を軽くさせたのはアイツなの――?


「凛夏っ」


「わっ!!!!」


「え…どうしたの、そんなに驚いて」


あたしが振り返ると、そこにはいつものように未亜があたしを見上げていた。


今日もボブカットの髪の毛からは甘い香りが漂う。


制服の中に着たピンクのカーディガンが、今日も未亜の可愛さを更に際立たせていた。

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