今、2つの色で




「周りと同じことをするのが嫌い、か~…」


俺は、その日からすぐに楠森と打ち解け合うことができた。


何故こんな優等生な楠森が、正反対の俺に話しかけてきたのかも分からないままだったけど。


でもそれは案外居心地が悪いものなんかじゃなくて、今日も俺は楠森と一緒に昼飯を食っていた。


「すごいねその勇気、俺も欲しいな」


楠森はきっと母親の手作りであろうその弁当を、美味しそうに食べながら言った。


「…俺みたいに目立って嫌われて終わりだぞ」


俺はその横で、サンドイッチを食べる。

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