今、2つの色で
その気持ちに気がついてしまった俺は、その翌日、早速楠森に話すことにした。
東条を好きだって気持ちは、すぐに自覚できた。
女子に対してこんな風に思ったことはなかったし、なによりあいつを見つけるとちょっかいをかけたくなる幼稚な自分に、何度も“それ”に気が付かされて。
そして何しろ俺は、隠し事ができないタイプだ。
隠し事をしながら生きていると何か息が詰まりそうで、俺は良いことも悪いことも、思ったり感じたりしたら口に出してしまうことが多い。
それが良い方向に転がることも、悪い方向に転がることももちろんあるんだけど。
「俺、東条のこと好きになった」
昼休み。
太陽はあたたかく、眩い日差しを俺たちのもとへ降らせている。