今、2つの色で


俺は楠森と2人きりの状態の屋上で、何の前触れもなく結論だけを口にした。


「…そっか」


俺の告白に、楠森は小さな声でそう言った。


何だ、俺が隠さずに話したっていうのに妙に元気がない。


まるで俺が、何か言ってはいけないことを言ってしまったようで。


不審に思った俺は、俯いた楠森の顔を覗き込んだ。


「楠森?」


俺の視線に気がついた楠森は、すぐに顔を上げる。

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