今、2つの色で
あたしと駿は、渡り廊下に来た。
この時間の渡り廊下は人が少なく、うまくいけばきっと誰も通らない。
外は薄暗くなっていて、渡り廊下の窓の外には今日も変わらず雪が見えている。
「あのね、駿」
あたしと駿の距離は、きっと1メートルくらい。
近いのか、遠いのか。
今ではもう分からなくなってしまったその感覚に、あたしはゆっくり瞬きをした。
「うん」
あたしの言葉に返事をして、あたしを見る駿。