今、2つの色で


きっと駿は、あたしが“駿は浮気をしている”と気づいていることに気づいている。


それでもその行動をやめる気配のない駿に、時には本当に悲しくなってしまったりして。


あたしは床に投げつけたジュースの缶を拾って、そっとゴミ箱に捨てた。


「…あたしは本気で…好きなのにな…」


ポツリとこぼした言葉。


その一言が、ただただあたしを虚しくさせた。


確かに浮気性で、はたからみれば最低な彼氏。


それなのにあたしは何故か、駿のことが好きで。



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