愛しのカレはV(ヴィジュアル)系
『ヅラ子、キースのファンなんだよな?』

え?なんで急にこんな質問?
ここは正直に答えるべきなの?
それとも、リクさんのファンだって言わなきゃいけないのかな?



『はい、そうです。』

『それって、素直にファンってこと?
それとも、恋愛感情ってこと?』

リクさん、何を言ってるんだろう?
そもそもなんでこんなこと訊くんだろう?



『ファンに決まってるじゃないですか。』

『素のキースは魅力ない?』

『そういうわけじゃありませんが…』

『じゃあ、俺のことはどう思ってる?』

何?
リクさんは一体何が訊きたいわけ?



なんだかちょっとイラッとしながら、私は返信した。



『リクさんは格好良いし、歌もうまいし、とても素敵だと思いますよ。』

『ステージの俺じゃなくて、素の俺は?』

『素も素敵だと思いますよ。』

なんだかちょっと面倒くさくなって、いい加減に答えてしまった。



『そっか。じゃあ、俺と付き合ってみない?』



(……え?)



私は、目を瞬かせ、もう一度画面に目を遣った。



『そっか。じゃあ、俺と付き合ってみない?』



顔が燃えるみたいに熱くなった。
リクさん…な、なにを言ってるの??

< 283 / 366 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop