愛しのカレはV(ヴィジュアル)系
(夢じゃないよね…?)



私は、まわりの乗客を見渡してから、そっと自分の頬をつねってみた。



痛い…うん、現実だ。



フードコートで、リクさんと向かい合ってふたりでハンバーガーを食べて…
衣装のこと、またお礼を言ってくれたり…
こないだのCDの感想聞かれたり…



……ん?
あ!まずい!またお金払うの忘れたよ!



スマホを取り出し、リクさんのトークを読みだす。
まだ何のやりとりもしてないけど…
リクさんのプロフ画像は、山の画像だ。
山の緑が清々しい…
でも、ちょっと意外だね。
キースさんはギターだったし、バンドやってる人は自己主張が強そうだから、自分の画像かと思ってたのに…
早速、お金を払うの忘れたことを送ろうと思ったら、リクさんからのトークが入って来た。



『ハロー!電車、座れたか?』

『はい、座れました。
そんなことより、リクさん、ごめんなさい。
さっき、お金払うの忘れてました。
今度、お支払いします。おいくらでしたか?m(__)m』

『ばーか。あんなの最初からもらうつもりなんかないよ。』

『でも…』

『俺が誘ったようなもんだし、気にしてもらうような額じゃないから。』



どうしよう?
本当に良いのかな?
なんて送ったら良いかな?



そしたら、リクさんからさらにトークが届いた。
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