愛しのカレはV(ヴィジュアル)系
「ま、大変っちゃー大変だったけど、おかげで私は良い想いをさせてもらったよ。」

「……どういうこと?」

「だって…クロウさんの高級車に乗せてもらえたんだから。
なんていう車か知らないけど、なんかすっごく格好良い左ハンドルの車だよ。
しかも、運転手はクロウさん。
その隣にはオルガさんもいて…」

「えっ!?オルガさんも一緒だったの?」

「そうだよ。」

うわぁ…クロウさんだけじゃなくて、オルガさんにも迷惑かけちゃったんだ。
恥ずかしい…



「で、瑠威は私達にもちょっとあがっていくように言ったんだけど、もう遅いし、私をキラさんの家に送っていかないといけないからってクロウさんが断ったんだ。
私としてはちょっとお邪魔したいような気もしたけど、ま、仕方ないよね。
帰りは、オルガさんとクロウさんと私だったから緊張したけど…こんな機会なんて、めったなことじゃありえないよねぇ…
部屋着姿の瑠威も見られたし、私としてはすっごくお得な気分だったよ。」

さゆみはお気楽なことを言ってるけど…



私としては、やらかしてしまった…って感じ。
あぁ、どうしよう…
今頃、どうしようもないもんだけど、やっぱり今の気持ちは「どうしよう」以外の何者でもなかった。
< 32 / 366 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop