短編集『芸術家、ボコられる。』
ミズエリ「ミズエリです。どうも。あらいい男」

ヤマーシィ「彼女は、誰でも彼でも、誘惑する。」

ダンテ「いやタチ悪い女かよっ」

ミズエリ「失礼ね。フン、気が多いと言って」

ダンテ「合ってんじゃねーかよっ」

ミズエリ「合ってるのか。ん~、だっふんだ」

ダンテ「なんだこいつ」

ヤマーシィ「馬鹿にはかかずらわるな、ミズエリ」

ミズエリ「うん分かった」

ダンテ「ちょっと何言ってんだよっ」

ヤマーシィ「早速だが、ミズエリ、ツゴペルの最新の好みを聞かせてはくれないか?」

ダンテ「最新の好みってなんつう聞き方なんだよ」

ミズエリ「いいわカモン」

ダンテ「同意しちゃってるし」

ヤマーシィ「ツゴペルは飽き性なんだ。実にね。オヤジを殺した時は殺人が趣味だったらしい。次の週には、募金活動に勤しんでたらしい」

ダンテ「完全に頭イカれちまった野郎じゃねぇかよっ、そんなやつに食わせてやるケーキなんかあるかっ」

ヤマーシィ「そんなやつだから、食わせてやるんだろうが。食わせて、後悔させてやるんだ」

ダンテ「だから、理屈がわかんねーんだよ」

ミズエリ「今週の奴の好みは、アップルパイ」

斎藤「いいとこ突くねぇ~~」

ヤマーシィ「いいですか」

斎藤「ビンビンきてる。」

ダンテ「こんなの、馬鹿げてる!」

ミズエリ「私にも手伝わせてほしい」

斎藤「いいけど、試験があるぞ」

ミズエリ「いいわよ」

斎藤「腕立て伏せ100回やれよ」

ミズエリ「分かったわ」

ダンテ「なにやらせてんだっ。そしてなに同意してるっ」
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