短編集『芸術家、ボコられる。』

飲んだくれる。(1)

斎藤「ウィー、ヒック。バロチクショウメィ、俺が何やったっつんだ、こんちくしょう」

渡邉「斎藤さん、飲み過ぎですって」

斎藤「ウィー、ヒック。上等だ、こんちくしょう。俺に説教垂れやがんのか」

渡邉「そういうわけじゃないですけど…」

斎藤「ここは、どこだ?居酒屋だろ?居酒屋なら、酒飲むんが、普通だろうが」

渡邉「そうですけど、飲み過ぎですって。アル中になりますよ」

斎藤「バカヤラ。アル中が怖くて、酒が飲めますかっつうんだよ。エー、なめてんじゃないですよ」

渡邉「舐めてませんけど。」

斎藤「舐めてんじゃねーかよ、エー、ペロペロ、ペロペロ、ペロリンコ、ってさあ」

渡邉「いや、舐めてませんよ」

斎藤「完全に舐めてるよ」

渡邉「舐めてないんだけどなぁ」

斎藤「ぜってぇ舐めてるよ」

渡邉「じゃ、どうすりゃいいんすか。謝ったらいいんすか」

斎藤「見上げた志だな。謝れよ」

渡邉「謝ったらいいんすか」

斎藤「おー謝れ」

渡邉「なんでやねん」

斎藤「いやなんでやねん。こっちの台詞やわ」




おわり
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