愛を教えてくれたのは若頭


街をプラプラし、帰宅したある日
家に帰ると静かだった
いつもなら、遅いと怒り口調の母が
玄関まで出てくるはずなのに
今日に限って出てこない

変だな、と思いながらリビングを覗けば
ソファであの人と下の義理の弟がお風呂を上がったばかりの格好だ

なぜ?と思いながら
玄関脇の階段に足を掛けた

母の靴がない、

自分の部屋へと静かにあがる
そして、いつも電気がついている
もう1人の義理の弟の部屋が暗い事に気がついた


…あ、そう言えば
サッカークラブの合宿があるって
言っていた気がする
てっきり、弟だけだと思っていた
多分、母も一緒に行ったんだろう


部屋に入りパタンとドアを閉めた時に気がついた
と、言うことは
合宿が終わるまで
あの人と私と下の弟だけだ


最悪だ、
今頃思い出すなんて…

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