愛を教えてくれたのは若頭


愛ってなに?
愛するって、どうしたらいいの?


考えたってわかるわけがない
家族愛なら、数年前まであった
それとは違うのだろう



「茜」


捕らわれた身体が少し離れ
私を覗き込むように私を見てきた


「まず、俺を好きになれ」


ゆっくり近づいてくる晃さんの顔
動くことも出来ず
呼吸も止めてしまった


優しく触れる唇
気持ち悪い、
そういう感覚が全くなかった

好きでもない相手とキスをする
そうすると鳥肌が立ち吐き気がする

どうやら勝手に思い込みのようだ
晃さんとのキスは、嫌ではない


そんな自分に驚いて
一瞬、身体を後ろに引いてしまった
けど、晃さんは
私の後頭部に手を回し、それを阻止


優しく撫ぜるように、また引き寄せられ
再度優しい…触れるだけのキスをされた

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