愛を教えてくれたのは若頭


私が一歩前に出れば
香水女は晃さんの腕に絡みつき
私を睨みつけてきた


「今更何の用?堂城の若は私と付き合うんだから、ねっ?」


香水女のわけのわからない発言に
はぁ?と言いたくなる
晃さん本人は、まだ現実逃避中だ


『そうそう、思い出したわ。貴方、晃さんのこと…ロリコンって言っていたわね』


クスッと笑いながら言うと
香水女は顔を真っ赤にして
晃さんに違うの、と訴えていた


晃さんはようやく現実逃避から
戻ってきてくれたようで
香水女に視線を向けた


「へぇ、お前がか…」


少し口角が上がり
冷たい視線と、冷静な声
それだけで香水女は
絡み付けていた腕を離した


その時、こんにちは、と
また聞き覚えがある声がした

振り返れば扇子をパタパタと扇ぐ
香水女の母親だ


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