愛を教えてくれたのは若頭
男とマミという妹の両親は
数年前に事故で亡くなったそうだ
だから家族は二人
男は社会人で、妹のマミは
まだ高校生だった
親の保険金もあり
マミを卒業させ、短大に入れ
ようやく社会人として歩み始めていた矢先に事件が起きた
「マミが妊娠したんだ」
まだ二十歳になったばかり
相手を問いただしたが全く言おうとしなく、男はおかしいと思い
休日にマミを尾行した
マミが向かったのはアパート
新し目のアパートの中へ入っていくマミを追いかけると一つの部屋の前で止まる
慣れた手つきでインターホンを押すと
中からドアが開けられた
出てきたのは見慣れた相手
自分の上司である湯川だった
湯川はマミに手を差し伸べると
マミは笑顔で湯川に近づき
誰が通るかわからない玄関通路で
唇を合わせ、そのまま玄関ドアは閉られた