クリスマスプレゼントは王子さま
……なんてことを昨日考えたはずなんだけど。
目の前にいる人はどうにも取りつく島がない。
そもそも、会話が成り立つほどの言葉を返されないんだから、話ができるどころじゃない。
(でも……めげちゃダメだ。一応相手は人間。動物でないのなら、まずは言葉でコミュニケーションを取る)
うん、と私は一人で頷いてトナカイに向き合った。
「あ、あの! トナカイ、お好きなんですか?」
「別に」
「それじゃあ……なぜ着ぐるみを着てるのですか?」
「答える必要はない」
「あ、あの……まさか一年中着ぐるみを着て」「ない」
言葉を遮られた後にスッパリと言い切られ、後は両手でマグカップを持って再びストローを首の継ぎ目に差し込む。
……というか、と私は彼のマグカップの横に転がるものをチラッと見た。
スティックシュガー20本……ミルクのカップ20個……それに。ブラックペッパーとタバスコとバジル一ビンずつ。
それをマグカップに入ったブラックコーヒー全部を入れて混ぜた時なんて、思わず自分の目を疑った。今飲んでるものって、明らかにコーヒー以外の未知の飲料になってませんか?ストローを通る色がなぜか紫色に変化してますけど。