クリスマスプレゼントは王子さま



くたくたになってブランドショップを後にしたのが、午後5時過ぎ。こんな時間から本当にレン王子と福祉施設を訪問するの? と疑問を持ったけれど……本当でした。


昨夜夜通しで体力を消耗したのに、ブランドショップで気力を吸いとられてへろへろ。なのに笑顔でレン王子の隣に並べって……どんな拷問ですか。


でも、私の役割が明日までなら、精一杯に務めようと自分で決めたばかりじゃない。なら、どんな状況でも最善を尽くさないと。


かといってレン王子と顔を合わすのはものすごく恥ずかしい。絶対に顔が赤らんでしまうけど……その心配をアベルさんにぼそぼそと伝えたら、彼から「いいんじゃない? というかむしろそうして」と意味がわからない回答をされた。しかも楽しそうに。


(他人事だと思って! 庶民の私はノミの心臓なんだから……勘弁してよ)


ブランドショップではレン王子が乗る車が迎えに来たけど、恥ずかしすぎて彼の顔がまともに見れない。王子自身も特に話しかけて来ないし、彼は彼で執務で忙しそう。


ホッとしながらも車が福祉施設前の駐車場に停まった瞬間――逃げ出したくなった。


だって。マスコミがわんさかと待ち受けていらっしゃいましたから!


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