君じゃなきゃ


「やっぱ真沙、つえーな。高校のときと全然変わんないな……。」


「何それ…………。」


「真沙は覚えてないかも知れないけどさー、高校の時に俺ら一緒に委員やってたろ。

その委員会があった日、帰りが遅くなって二人で教室にいたとき薄明かりで真沙を見てたら無性に欲しくなって、俺キスしようと抱きついたろ。そしたら真沙、ものすごい早業で俺と真沙の顔の間に教科書挟んでキス阻止しただろ。
もービックリして、ってかキスしようとして阻まれた俺は恥ずかしくなって立場なくって黙っていただろ。そしたら真沙、何にも無かったかのように笑って、帰ろっ!とか言うし…………。
なんか、つえー奴って思ったよ。」

「あー……、あったかなぁ……。」

……そんなことしっかり覚えているよ。だって、好きな拓海にキスされそうになったことだよ。どれだけ私がドキドキしたか。本当は私、泣き出しそうだったこと、知らないでしょ……。



「だってさ、あの頃の俺って自分で言うのも何だけど学校でモテまくってたろ。だから、俺が言い寄って断った女なんていなかったし、真沙の反撃はかなりショックだったんだよな。」

「あー、確かに超モテモテだったねー。同じクラスの女子なんてみんな拓海のこと好きだったよ。それに調子づいて何人の子とやったんだか。」


……私も拓海のこと好きだったんだよ…………。



「…………、まぁそう言うこともあったわなー……。そうそう、そう言えば社会人になってから真沙と飲みに行った帰り、俺が車で家まで送ったときも、無性に帰したくなくて強引に抱きしめようとしたら、これまたカバンで顔面殴られたし……(笑)」

「あー、うん、それはあったな。」


……急にキスとか私には拓海の行動の意味が分からないよ……!


「ほんと、真沙って隙がなかった。」


…………。

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