強引なキスで酔わせて【完結】~二人のその後 更新中
「っん、やめ・・て・・・」


強く奏汰の胸を押し返し、奏汰から離れようとする。
けど、それは許されないようで、後頭部をしっかり押さえられ、さらに唇を押さえつけられる。


「っん、っんんんんん。」


口をキツく閉じ、奏汰の舌の侵入を許さない。
と、後頭部を抑えていた手が離れたと思ったら、その手は私の鼻を摘まんだ。



「んんんんんんっ!!」


息が出来ず、堪らず、口を開けてしまう。
と、そこから、容易に奏汰の舌は侵入して来た。



ズルい、奏汰はズルいよ。
奏汰は全部わかってて、やってる。
私が奏汰のことが好きなことも、それなのに、桐島部長に心揺らいでることも。
全部、全部わかってて、やってる。



必死で手を伸ばして、階床ボタンの1つを押す。
動き出したエレベーターの軽い振動に、奏汰がよろめき、その隙に奏汰の身体を強く押した。
奏汰はその衝撃にその場に尻餅をついた。


どうやら私の指は近くの階を押したらしく、エレベーターは直ぐに止まった。
エレベーターから転げるように降りた。


向かいに来ていたエレベーターに飛び乗り、下階を目指す。
エレベーターのドアが閉まるその時の、奏汰の顔が忘れられない。


怒りに満ちたその顔を。



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