強引なキスで酔わせて【完結】~二人のその後 更新中
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「すみません、桐島部長・・・」


奏汰は何も言わず、部屋を出て行った。
この27年、奏汰が私のことを好きだったと言う事実よりも、桐島部長に私の衝撃の事実を勢いで伝えてしまったことの方に動揺している。


何をどう言っていいかわからず、次の言葉を探す。
と、桐島部長の指が、私の頬を掠めた。


「深月・・・・・」
「桐島部長・・・・・」
「悪い、俺、軽率なことしたな。」
「いえ、謝らないでください。謝られると・・・」
「そうだな。軽率なことをしたことには謝る。けど、お前にキスしたことは謝らない。」
「それは・・・どういう・・・・?」
「こういう意味。」


グッと身体を引き寄せられ、そのまま唇を絡め取られた。
ゆっくりと唇が重なり、角度を変えて何度も何度も口付けられる。
この前、桐島部長にキスされたのが初めて。
あの時も、どうして良いかわからず、成すままにしていた。


2度目のキスは触れるだけだった。
奏汰に見せつけるように、されたキス。


3度目は寸前で止められた。
けど、そのままキスされたいと私は思った。




そして、今・・・・・


離された唇が、愛おしいと思った。



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