強引なキスで酔わせて【完結】~二人のその後 更新中
残っていた最後の社員が帰り、私と凌さんの二人きりになる。
凌さんのパソコンを打つ音だけがオフィスに響く。


何もすることがなく、キャスター椅子に座ってクルクル回っていると、


「何、可愛いことしてるんだ?」


と、肩に手を乗せられた。
凌さんを見上げて、その手に私の手を重ねる。


「そんな顔するな。抑えが効かなくなる。」


口角の端を上げて、意地悪く笑った。
その顔にも見惚れる。


ほんとにこんなにも格好良い人が、私の彼氏なんかで良いんだろうか。


ゆっくりと凌さんの端正な顔が近づいて、私の唇に優しく触れる。
優しいキスは私をどんどん凌さんの虜にしていく。



「帰るか。」
「はい。」




私はあの日から、凌さんの家で暮らしている。
急な展開に自分でも付いていけてないのだけれども、凌さんのあの切なくて、憂いを含んだ瞳で言われれば、誰も拒否出来ないだろう。



『アイツの傍に置いておきたくないんだ・・・俺の傍に来い。』


< 54 / 84 >

この作品をシェア

pagetop