翼をなくした天使達
●もうひとりの私
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次の日の朝。目が覚めると何故か体は汗びっしょりだった。
何かにうなされていた記憶はあるけどその夢がなんだったのかは思い出せない。時計を見るとまだ5時前でいつもより1時間以上早く目が覚めてしまった。
………ってか、ベタベタで気持ち悪い。
二度寝をしたら起きられなそうだしこの汗をかいた体で学校に行くのは嫌だ。私は足音を立てないようにそーっと階段を降りて脱衣場へ。
朝シャンなんて久しぶりかも。
シャワーのノズルを1番上引っかけて顔からシャワーを浴びた。
学校……なんだか気が重いなぁ…。
美保とはあれから普通だし沙織は相変わらずだけど、帰り際に暇だったら遊ぼうと誘われた。
学校も友達も何もかも順調で、全てが満たされていたはずなのに今はみんなが笑いかけてくる笑顔が偽物に見える。
このモヤモヤとした感覚を無くしたいのに、昨日聞こえてきた声がその気持ちに拍車をかけるから最悪だ。
そしてもっと理解できないのはこんな時に浮かぶのは蒼井の顔だって事。
あいつに人間関係を相談しても意味ないし、記憶の事を話してもなんだか「ふーん」だけで終わりそうなのに、
それでも黒髪の美保にうざいと言われて苦しくなった時、私はすぐにあいつを探したくなった。
ここは現在じゃないとか、私達は死んだとか、
そんなおかしな事を共有してるからそう思うのかもしれないけど、
あいつに会って嫌味のひとつやふたつ言われたらモヤモヤも吹っ飛ぶかも?なんて思っちゃってる私はいつからドMになったんだろうか………