冴えない僕と煌びやかな君

なんて考えてる、僕。


我ながら冷静すぎるだろうが。


僕のせいで、悪女さんは泣いているのに。


冷たいヤツだな、僕も。


『許すとお思いですの？このワタクシが』


｢ゆる、してくださ、｣


スミレの瞳がすっと細められる。


『ずいぶんと勝手ね』


なかば睨むような形で、
彼女は悪女さんを見据える。


声をいつもよりかなり低くして。


｢ひっ｣


ああ、また怖がらせて。


『彼が、佐々木くんが、アナタに許しを乞うたとき、確かアナタ言ったわよね？』