ばくだん凛ちゃん
お風呂から上がっても、透の機嫌は変わらず。

黙って夜ご飯、食べてる。

嫌な雰囲気がリビングに漂っているのに耐え兼ねて、私は凛を抱っこして寝室に向かった。



最近、凛の事が何となくわかってきた。
多分、この子は常に人肌が恋しい。
抱っこしていたらフニャフニャ言うものの、大人しくなる。

だからずっと抱っこ。

…でも、私は辛い。
夜中もずっと抱っこ。

寝なくても体を横にしたいだけなのに、それさえも許してくれない凛。

透が当直や呼び出しでいない時は泣いてもそんなに神経を使う事もないけれど、今日みたいに家にいる、または呼び出しが掛からなそうな時は本当に気を使ってしまう。

絶対に凛が泣いたら寝ない。
疲れているのに寝ようとはしない。

…こんな時、私に帰られる家があれば、どれだけ気が楽になるだろう。



凛がようやく寝た。
私はそっとベビーベッドに凛を置いてみた。
今日は凛が疲れていたのか、すんなりとそのまま寝ている。

私もそっと隣のベッドに横になる。



静かだー。



久々にこの部屋で静寂を感じた。
段々瞼が重くなる。
目を開けていられない。
凛が泣いたら、起きたら良いよね。
今は10時過ぎだから、12時には起きないと。
きっと凛の泣き声で起きるわよ、私。
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