ばくだん凛ちゃん
「うぎあああー!」

凛ちゃんは神主さんが祝詞を上げる間、ずっと泣いていた。

透もハルちゃんも何度もあやすが、無理。

本当に良い度胸をしている。

「凛、お願いだから泣き止んで」

ハルちゃんが言うが、凛ちゃんのご機嫌は直らず。

神主さんが最後に

「今から一本、筋の入ったお子さんですね。
大物になりますよ」

と、言われた。

うん、僕もそう思う。
透やハルちゃんは育てるのに苦労しそうだけど。
だってこの1時間でもう二人の顔は疲れ果てている。
こんなのを見るとこの先、色々と心配だ。
多分、透の頭の中では二人目の計画があるはずだ。
凛ちゃんの子育てに疲れ果てているハルちゃんが同意するかな。
透もまたこの春から紺野総合病院の常勤医をしながら僕が継承する医院の非常勤になる。
心臓に毛が生えていると言われる透でも多少なりともストレスは掛かるだろう。



「凛ちゃん、伯父さんが抱っこしてあげる」

僕が抱っこすると凛ちゃんは大人しくなった。
そしてウトウトしている。

「凛は兄さんが良いんだな」

透、嫉妬しない。

その後、神社の中にある披露宴等を行う建物にある写真館に行った。

ここでお宮参りの写真を。

と思ったら凛ちゃん爆睡。

透が必死になって刺激を与える。



何ともまあ、親泣かせだな。
可愛い顔をして、その反動が凄いよ。

…先が思いやられる。

僕らはそんなに接しないから何も思わないけれど、透やハルちゃんは悩むだろうな、これ。
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