ばくだん凛ちゃん
「うー!!」

ハルと次のステップに進もうかなあ、なんてのん気に考えていたら凛の声が聞こえる。
唇を離して凛を見ると…。
こちらを見て微笑んでいた。

凛ちゃん、夜10時ですよ。
って言いたいくらい、目が輝いていた。

「凛、ヤキモチ妬いてるの?」

僕はそう言って凛を抱っこした。
その瞬間、凛がとびきりの笑顔を見せるものだから、やれやれ仕方がない。

「お父さんが寝かしつけようか。
それともお母さん大好きだからお母さんがいい?」

チラッとハルを見ると首をブンブンと横に振っていた。
そりゃそうだよね、朝から晩までずっと一緒なんだから。

「凛、お父さんとベッドに行こう。
…出来るだけ長い時間、寝るんだよ~」

という僕の希望を言葉にして。
凛は中々僕達二人の時間を作らせてくれない。
お母さん大好きっ子だからね、仕方がないけれど。

「じゃあ、透、お願いね」

ハルはそういうとキッチンへ向かう。
遅い時間でもハルはきちんと僕の食事を用意してくれる。
何とも有難い話だ。

「はいはい」

僕は凛と色々会話をしながら寝室に向かった。
多分、今のこの時期が一番可愛いと思う。
新生児期が終わり、寝返りもせず、大人しい。
泣くのはよくあることだけど、モロー反射ももうすぐ終わり。
手をグーにしているのも、もうすぐ終わる。
凛はその手で、一体何を握っているのかな?

凛はそのグーにした手を口に入れている。
その姿がまた、可愛い。
…人前では絶対に言えないけれど。
そんなに家にいないお父さんでも、凛はわかってくれているんだろうな。
僕にニコニコ笑っていた。
そして時折、うーっと唸って体を半分捻ってみたり。
まだ、寝返りする力はない。
ベッドの上で腹這いにしてみると凛は必死に顔を上げようとしている。
これもまた、もうすぐすれば何の苦も無く、すんなりと顔を上げるようになるだろう。

「うー!えっえっ!」

凛の顔が苦しくて歪んでくる。
この辺りで練習を止めよう。
僕は凛を仰向けにした。

「うー!」

一人前に文句言ってるよ。

「ゴメン、凛。
ちょっとだけ、凛の成長を見てみたかったんだよ」

僕は凛の頬を撫でる。
自然と自分も笑みを溢していた。
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