結婚ラプソディ
式が終われば、先生と日下先生に合流出来るから私には合わないこの雰囲気から脱出出来るだろう。

よし!指輪の交換もしたな!!

もうすぐ式は終わりだ!



「あの〜…」

式が終わった、と思ったのに。
その40オーバー、商社勤めの男と母親らしき人が私の元へやって来た。

イヤイヤ、話し掛けないでください!!

「もしよろしければ…」

その母親はペラペラ×10くらい、話をしてくる。

私の頭では理解出来ず、というかしたくない。

完全スルーで流していた。

電話番号聞かれてる?

言いたくありません。

基本、お兄ちゃん、お姉ちゃん、先生くらいしか掛かってきません。
電話は。

「ボーッとされてますけど、大丈夫ですの?
まあこんな良いお話、ないですし…」

はあ?
オバサン、自分で言う?

どう見ても頼りない、親の過保護に支えられてる頼りない男を私の前に差し出して、何が良いお話、だ!



もう、話をしたくない。

踵を返そうとした時。

頭上から声が聞こえた。
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