結婚ラプソディ
受付の数、凄すぎ。
招待客、どれだけいてるのよ。
このほとんどが病院関係者なんだろうなあ…。



「うわ、哲人先輩!」

受付にやって来た超イケメン。

身長、高いなあ…。

「お前も呼ばれていたんだ」

水間さんの対応が冷たい。

「透先輩、哲人先輩みたいに冷たくないですから」

超イケメンの隣には超美人。

「彼女?」

水間さん、素晴らしいツッコミ!

「神宮寺先生の彼女は…遠慮させて頂きます」

超美人さんは顔を引きつらせてそう答えた。

「…黒谷ー!お前も俺が嫌なのか」

「…付き合いたくないタイプです」

水間さんは爆笑している。

「彼女はウチの小児科の後期研修医です。
透先輩が指導医をしていますよ。
黒谷は彼氏、ちゃんといますし。」

超イケメン神宮寺さんは水間さんに説明をする。

私も隣でフムフム、と聞く。

何だかこの辺りの人間関係、楽しそう。

ついつい聞いてしまう。

「で、こちらの受付の方は先輩の彼女さんですか?」



…神宮寺さん、どうしてそんな発想に?



「バカ者。
このお方は新郎、新婦の大切なお友達だよ。
…特に透、かな?」

水間さんの問いに私は頷く。

「そうなんですか!
何かメチャクチャ若く見えるんですけど」

神宮寺さん、それってナンパですか?

「…ゴホン」

水間さんの咳払いで神宮寺さんはそれ以上の会話を止めた。

「本当に馬鹿な後輩ですみません」

神宮寺さんが立ち去って、人が途切れた時に水間さんが謝る。

「透と僕と神宮寺は同じ大学で、神宮寺が3年後輩なんです。
こちらに戻る時に透は神宮寺を引き抜いて行きました」

「透君ってやり手ですか?」

きっと素晴らしい医者だとは思うけど…。
そういう評価を同業者から聞く機会なんてまずない。

「…やり手、という表現では彼は収まらないですね。
全てを網羅して実行に移す完璧主義者、かもしれません。
神宮寺の引き抜きも完璧にやりましたからね。
何の後腐れもなく」

…怖いかも。

「お医者さんとしてはどうですか?」

水間さんは微笑んで

「お世辞抜きに凄いですよ。
僕が知っている小児科医で1、2を争うくらい、経験が多くて、技術的にも優れています。
大学病院で一緒に働いていた時に、ダメと思われていた子に普通の医師が思い付かない投薬方法で救った時は鳥肌が立ちましたよ」



透君、想像以上に凄いお医者様なのね。
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