結婚ラプソディ

☆ 神立 真希 ☆

淡路さん、本当に凄い人と結婚したのね。



乾杯後、歓談に入り、祝電が読み上げられる。
一体、いつまで続くのか…。

このテーブルには淡路さんの妹さん、旦那さんの大学関係の方々。
さっき受付にいたお姉さんと私の5人。

淡路さんは

『お席、申し訳ないですが、色々な業種の方々と同じになります』

と恐縮していた。

どちらかというと親族席に近い感じだけど…。

でも本当の親族は1人よね。

後は…寄せ集め。

「せっかく同じテーブルになったので自己紹介しません?」

受付をしていたお姉さんがニコニコと笑った。

ああ、何だろうこの感覚。

「いいですね!
是非やりましょう」

初老の上品な男性が頷く。

「では私から。
私は透君とハルちゃんとは高校の同級生になります、門真 真由と申します」

真由さんはチラッと隣のテーブルを見ると

「私は透君が乗っているバイクを販売したバイク屋に勤めてまして…。
隣のテーブルにいるのが私の子供やバイク屋店員で、本日お招き頂きました」

へえ…バイク屋さんねえ。

「あと、透君にはウチのバイク屋…二輪のレースに参加していまして、個人スポンサーになって頂いて、公私共々随分助けられています」



…益々凄い人ね、淡路さんの旦那様。



「透は昔からバイクが好きだったよ」

初老の男性の隣に座っている壮年男性が相槌を打つ。

「多分、それは高校の時に透君と仲良しの友達の影響です。
…彼もこのチームにいたんですが、高校卒業前に亡くなってしまって。
以降、何かと気にかけてくれています」

そんな事があったのねえ…。
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