結婚ラプソディ
17時過ぎ。

受付を黒谷先生が一人でしばらくしてくれる事になった。

俺は…。



「さて、新郎新婦も無事にこちらに到着致しましたのでただ今より二次会を開催したいと思います。
二次会の進行は私、紺野総合病院小児科医師、神宮寺 速人と…」

「K大学医学部准教授、水間 哲人で進行させて頂きます。
何分不慣れな為、お見苦しい点が多々あると思いますがお許しいただけますよう宜しくお願い致します」

隣に透先輩の次に怖い先輩がいる中での司会進行役。

あなた、不慣れな訳ないですよ。

と、心の中で突っ込んでみる。

口に出して言えば…シメられる。

「では新郎新婦にご入場頂きましょう。
皆様、盛大な拍手をお願い致します」

俺の言葉で拍手が起こり、透先輩夫妻が入場する。

さっきとは打って代わり、透先輩はごく普通のクールビズ(スーツ上着なし)。
ハルさんはゆったりとした紺のワンピース。

パッと見るとやはりこの二人はピタリとハマるパズルのように合っている。

透先輩は俺を見る。

すかさずマイクを渡す。

阿吽の呼吸。

「本日は二次会を開催して頂き、ありがとうございました。
また披露宴から参加して頂いている皆様、お疲れのところ、本当にありがとうございます。
二次会から参加して頂いている方もお忙しい中、私達の為に時間を作ってくださってありがとうございます。
我が後輩、神宮寺くんが主体となって二次会を開催してくれました。
是非、皆様と短い時間ではありますが楽しめたら、と思います」

透先輩はそのままハルさんにマイクを渡す。

「皆様、本日は私達の為にお集まり頂き、ありがとうございます。
私の言いたい事はほぼ夫が申し上げましたので割愛させて頂きます」

お、奥さん、中々空気読める人。



さて、そろそろ弄り状が出揃った頃だな。

…楽しみー!
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