結婚ラプソディ
「さて、質問大会をしようかと思ったのですが、絶対に後に回した方が楽しいので先に抽選会します」

受付を終えた黒谷先生の冷たい視線を感じながら俺は言う。
後で抽選なんかをすると俺は透先輩に本当に刺されてしまう。
哲人先輩も巻添えを食らうであろう。

「…後で回した方がそんなに楽しいの?」

勘の良い透先輩。

「はい、絶対に楽しいです」

俺はにこやかに答える。

「そう、それは楽しみだね」

…その目。

小児科医がそんな目をしたら赤ちゃんもお子ちゃまも泣きますよー!!

…感付いたか。

「ね、奥様。
楽しいことは後回しの方が絶対にいいですよね?」

「はい」

ああ、透先輩の奥さんが笑ってくれた。
透先輩は何も言えまい。

案の定、それ以上は何も言わなかった。

「では、お二人に箱の中のくじを引いて貰います。
その番号を呼ばれた方は前に出てきてください」

哲人先輩が説明をする。

荷物になると大変なので賞品の現物は一切ない。

商品券、カタログギフト、旅行券。

一等は旅行丸ごとパック

旅行のは…医師が当たっても行けない場所だしな。

出来たら一般の人に当たって欲しいな。
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