結婚ラプソディ
6.そして宴は終わる

☆ 高石 ハル ☆

怒涛の二次会が終わった。

三次会は披露宴、二次会に来られなかった紺野総合病院の関係者が多いらしいけど、ただの飲み会らしいので私は行かなくて良い、と言われた。

勿論、紺野総合の関係者じゃなくてもまだまだ飲み足らない人は行くらしい。

「じゃ、帰るね」

私はナツと先に帰る。
真由ちゃんも子供達と帰るので途中まで一緒に。

「うん、気をつけて」

透は私の頭を軽く撫でた。

「あまり飲み過ぎちゃダメよ」

私は透にそれとなく言ってみる。
神宮寺さんにあんなにやられたら絶対に仕返しするだろうし。

「大丈夫だよ、ハル」

…いや、透じゃなくてね。
神宮寺さんや水間さんと四次会までするんでしょ?
私は二人が心配なのよ。
透は明日までお休みだし。

「じゃあ、お兄ちゃん、お先に帰ります」

ナツが透に頭を下げた。

「お願いします、ハルの事。
哲人は後で連れて帰るから」

水間さんは明日に飛行機で帰る。
明日まで夏休みなんだって。
ナツは明後日、紺野総合を見学してから帰る事になっている。

「…そんなに遅くならないように帰るから」

透はそう言うと私の頬を撫でる。
…そんな事、されたらドキドキしてしまう。

「…誰もいなかったらハルにキスをするんだけど」

耳元でそんな事を囁くから、瞬間湯沸し器のように顔が火照る。

透はクスクス笑って私とナツに手を振り、皆の中へ混ざった。
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