結婚ラプソディ

★ 高石 透 ★

三次会。

病院の勤務を終えたメンバーがやって来た。

ハルがもう帰ってしまったのでただの飲み会となっている。



「あの二人、本当に初対面なのか?」

哲人が速人と祥太郎君に視線を向ける。

「僕は今まで会わせた事はないね」

妙にウマが合うのか、三次会の進行は二人でしていた。

二人で楽しそうにしている。

「あの柏原さんって、透の…?」

「高校の友達の弟。
まあ、高校の後輩でもあるけど」

5歳、離れているから実際には学校で会った事はないけれど。

「バイクの世界ではお兄さんを超して、世界も経験して、今ではその世界で名前を知らない人はいないくらいになったな」

「さっきバイクのレースに出ていると、チラッと聞いたけど、そんなに凄い人だったんだ」

僕は頷いた。

拓海が生きていたらね、状況は変わっていたとは思うけれど。

拓海がいないから、そこまで成長したんだろう。

「タイプ的に速人と同じなのかなあ…」

哲人のいうタイプ的に、はきっと女性関係の話だな。

「似ているとは思うけれど、祥太郎君は既婚者だよ。
少し前までは遊び倒していたらしいけど、子連れ離婚した幼なじみと結婚した、と聞いている。
速人はただ、遊び倒しているだけだからね」

本当に早く落ち着けよ、速人。

看護師や事務スタッフとの揉め事に何度も入らされる僕の身にもなれよ。



「透先生〜!」

仕事を終えた産婦人科、小児科ナース達が僕の所へやって来た。

しばらく、雑談が続きそうだ。
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