キミの隣で恋をおしえて〈コミック版:恋をするならキミ以外〉


「……で、それでいいって言われちゃったの…?」


教室に逃げ帰り、あたしはナッチに泣きついた。

もちろん、言葉の綾というやつで、本気じゃなかった。

ただ、約束して欲しかっただけ。

あたしがいいって言うまで触らないって。

痩せてから触ってもらいたいから。

今のぷよぷよを触って欲しくなかっただけ。

…幻滅、されたくないから…。


「しかも安堂くん、“だったら明日から、弁当も別々だね”って言うんだよぉ…!」


あたしの唯一の楽しみを、安堂くんはそんな涼しげな言葉で、突き放した。

それからあたしが何を言っても、そっぽを向いたまま、聞き入れてはくれなかった。


「…じゃあ、明日から安堂くんはお弁当がフリー…」


ナッチがよからぬことを考えている。

あたしはムッとして、ナッチの背中の肉を摘んだ。


「ギャッ!? う、嘘に決まってるじゃない!
 知枝里、むしろこれはチャンスよ!会わない間に、痩せて、とびきり可愛くなるチャンス!3週間後、変身した知枝里に、安堂くんは惚れ直すの…!」


ナッチがどこかを見上げて、頬を染めている。

あたしもそのどこかを探し、そしてナッチと同じポーズでキメてみた。

…そうか!

そうだ!

確かにこれは、チャンス、かもしれない!

< 223 / 352 >

この作品をシェア

pagetop