キミの隣で恋をおしえて〈コミック版:恋をするならキミ以外〉
「……で、それでいいって言われちゃったの…?」
教室に逃げ帰り、あたしはナッチに泣きついた。
もちろん、言葉の綾というやつで、本気じゃなかった。
ただ、約束して欲しかっただけ。
あたしがいいって言うまで触らないって。
痩せてから触ってもらいたいから。
今のぷよぷよを触って欲しくなかっただけ。
…幻滅、されたくないから…。
「しかも安堂くん、“だったら明日から、弁当も別々だね”って言うんだよぉ…!」
あたしの唯一の楽しみを、安堂くんはそんな涼しげな言葉で、突き放した。
それからあたしが何を言っても、そっぽを向いたまま、聞き入れてはくれなかった。
「…じゃあ、明日から安堂くんはお弁当がフリー…」
ナッチがよからぬことを考えている。
あたしはムッとして、ナッチの背中の肉を摘んだ。
「ギャッ!? う、嘘に決まってるじゃない!
知枝里、むしろこれはチャンスよ!会わない間に、痩せて、とびきり可愛くなるチャンス!3週間後、変身した知枝里に、安堂くんは惚れ直すの…!」
ナッチがどこかを見上げて、頬を染めている。
あたしもそのどこかを探し、そしてナッチと同じポーズでキメてみた。
…そうか!
そうだ!
確かにこれは、チャンス、かもしれない!