空の下で
「血吐いたのか?」


血だらけの手で布団を握ったせいで、あたりが血だらけだった。


「か……けるッハア…か…ハァッハァッ…る……」


「翔はちょっと体調悪くて寝てるんだ…ちょっと俺が代わりに処置するから安心してな…翔じゃなくてごめんな…」


体調が悪いの?


翔私のせいだよね…


ごめんなさい…ごめんなさい…


「柚姫、ちょっと処置室まで運ぶな…」


いつの間に看護婦さんを呼んだのか、担架の音がした。


「ちょっと持ち上げるよ…1、2の3!」


ガラガラと運ばれて、処置台に乗せられた。


息ができない…


痛みが耐えられないや…


「柚姫!頑張って耐えてくれ…」


河野さん…


頑張りたいけど…もう疲れたよ…


酸素もすでにつけられて、腕には点滴刺さってるし、


まただよ…


一日に大きめな発作二回なんて、人生初だよ…


はあ…それにしても痛過ぎる…


さっきから、服の端っこを握りしめてこらえてもこらえきれない…


「もうちょっと酸素あげてくれる?」


さっきよりもきつくなって、だんだん呼吸がましになってくる。


心臓がつぶれそう…


掴まれて、四方八方に引っ張られながら握りつぶされてる感覚はもう20分はしてる気がする。


早く…楽になりたい…
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