空の下で
「柚姫、もう少し、頑張ってくれ…もうすぐ楽になるはずだから…」
汗びっしょりかいて、発作が始まって30分強で収まった。
あったかいタオルで体を吹かれ、車いすで部屋に連れて行かれた。
「大丈夫ですか?」
「さっきは…呼んで…頂いて…ありがとうございます。」
「いえいえ、また頼ってくださいね」
感謝を伝えると、河野さんはベッドに運んでくれて、酸素チューブも付けてくれた。
「今日はゆっくり寝て?発作で体力だいぶ削れてるしね…」
「あの…翔って…大丈夫なんですか?」
少し顔を曇らせて、河野さんは声を出した。
「疲労が原因で、持病が悪化したっぽく…でも、命にかかわるようなものじゃなくて、遺伝性だし、一時的なものだから安心していいよ」
「それって…」
「軽度の…不整脈かな……」
「不整脈って…私みたいに…」
「柚姫はまた別の疾患があるから重度な不整脈だけど、翔は貧血と同時に除脈になるって感じだし、治療もいらないし、何も心配しなくていいよ」
「でもそうさせてるのって…私…私のせい……私のせいじゃん…私の…私のせい…!!」