空の下で
「柚姫!自分を責めないで。翔は柚姫が元気に笑ってる姿が見たいんだ。だから、翔のことで悩むな?またおっきな発作出るよ?」


「河野……さん」


「とりあえず今日は寝て、早く調子戻さなきゃ、手術しても耐えられないよ?」


「あ、はい………寝ます……おやすみなさい」


涙がすーっと流れた。


何の涙だろうか……


私には分からない。


そのままどこかへ吸い込まれるように、寝てしまった。


「柚姫〜、検温の時間だよ〜」


回ってきた雪に起こされて、目が覚めた。


「37.6℃、今日は散歩無しね、無理は禁物だから、安静にしててよ?」


「はーい……」


体が重くて、外も雨が降っていて、気分が上がらなかった。


朝ごはんなんて、スープしか飲めなかった。


これが、ヒトの最期なのか……?


「柚姫、心配かけてごめんな」


ふと顔を上げると、翔がいた。


目から涙が溢れだした。


「翔……ごめんなさい…わたしのせい……で……」


「柚姫のせいじゃない、俺の体調管理が悪いだけだ、な?」


頭を撫でながら、ぎゅっとしてくれる。
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