欲情プール
夏も終わりに差し掛かって。


「茉歩の事が、解らない…」

ピロートークで…
もはや口癖のように、相変わらずそう呟く慧剛。


「またそれ?
人を見る目に長けてるんじゃなかったの?」


「そのつもりだった。
けど…
茉歩の事だけ解らない」


なにそれ。
人を変わり者みたいに…


「解らなくていいよ」



この関係が終わるかもしれないと思った、あの日。
失いそうになって初めて…

慧剛しか要らないと思った。


慧剛が全てになってるこの心は…
重過ぎて、その人生の足を引っ張るだけで。
知られる訳にはいかない。

私は慧剛の目的を、選んだ道をサポートするだけ。



なのに、それを探るかのように…
もしくは、何かを伝えるかのように…
たまに切なげで訴えるような目が向けられるから。

心臓がドクン!と、弾けそうなくらい反応して…
高揚の波にのまれる。


そして今もまた。

だけど今回は、その肉食獣の瞳で私を逃さないように見つめて…

耐えられずに逸らしても、その都度「茉歩」と呼び戻されて。

逸らす事も出来ずに…

身体が、心が、どうしょうもなく悶える…!


< 150 / 289 >

この作品をシェア

pagetop