欲情プール
堀内聡、か…

調査データに写るずいぶんと甘いマスクのその男は、このビルの住人で。
何度か挨拶を交わした記憶も残ってる。


そしてプロジェクトが落ち着いた頃には、そいつはオーナーズルームに入り浸るようになっていて…


〈今相手の男が対象者の部屋に入りました〉

調査員からのメール報告に、帰宅を躊躇う。


この時間帯に堂々と…
どういうつもりなんだ?

どうやら堀内の方は俺の存在を知らないようだが…
鉢合わせて婚約解消にでも持っていくつもりか?

だとしたらその手に乗る訳がないし。
まだ内々に進めてる婚約を、下手に口外したくなかった。


幸い専務室は住居仕様を改造した造りで、浴室もベッドルームも備わってる。

とはいえ、いつまでも帰らない訳にはいかないな…


「…さて、どうしてくれようか」



そうして俺は、堀内の奥さんに目をつけた。
上手く利用すれば、2人の関係を終わらせられるんじゃないか?と。


奥さんの方もまた、何度か挨拶を交わした顔で…

可憐な面持ちに反して、クールでキャリアウーマンといった雰囲気が印象的だった。
< 192 / 289 >

この作品をシェア

pagetop