欲情プール
すると何かにハッとして、またこの前みたいに強張る茉歩。

そうなるのは恐らく旦那の事で…
心の傷は相当深そうだ。


すかさず俺は、その頭をぽんぽんと撫でた。


「っ、セクハラになりますよ?
むやみにしない方がいいと思います」

「嫌だったら訴えていいよ」


大きな溜息がぶつけられたけど…
そう、ストレスは俺にでもぶつけてくれ。

それに思いの外動揺する茉歩が可愛くて…
訴えられてもまたしたい、なんて思ったり。

とにかく、その様子から策略は順調そうだし…


「旦那さんと、何かあった?」

核心に触れて、それを進めた。


ところが深刻な話にもかかわらず、なぜか笑い出す茉歩。

「あれ、笑うとこ?」


「いえ、なんだか専務に絆されてっ」

何に絆されたのかは判らないけど、そのままふざけて笑い合ってると…


「実は、今ちょっと離婚の危機で」

おもむろに心が開かれる。


さすがにまだ不倫の事は言えないようだけど…

クールで手強い彼女とふざけ合えたり、ストンと懐に入れてもらえたのが嬉しくて。


俺の方がギャップ効果にやられてるのかもしれない。
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