欲情プール
「…そうですね。
じゃあこれからも誘って下さい。

それに私。専務の我儘、好きですよ?」

いきなり何だっ?
思わぬ返しに軽く戸惑う。


もしかして今の提案から、我儘で誘った今日の食事がヤキモチ作戦だと察したのか…

でもそれだけで?


今までも我儘に見せかけてフォローを入れてた俺は、全部見抜かれた気がして照れくさくなる。


「俺も。解ってくれる茉歩が、好きだよ」

すかさず策略の言葉に繋げて誤魔化すと。

茉歩は思いの外動揺して、飲もうとしたワインのグラスを倒してしまう。


「ごめんなさいっ」

いつもクールな彼女の、やたらと焦ってる姿が可愛くて。


「大丈夫。俺が」

ニヤけるのを我慢しながら。
すぐに自分のハンカチを取り出して、拭こうとした手を止めた瞬間。

触れた肌に、また胸が騒いだ。


思わず戸惑うと、茉歩まで同じ様子で…
ふたりして繋がった視線から動けなくなる。

すぐさまそれは、店員の対応で遮られたものの。



そのあと職場に戻った俺は、溜まってる仕事を片付けながら…

ふと、その事を思い返してた。


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