欲情プール
「茉歩は泳ぐの好き?
お望みなら、今のビルにプールジムでも造るけど」

「…職権乱用ですね」

こんな関係になっても…
茉歩は相変わらずクールで、仕事とプライベートをきっちり切り替えてた。


そのくせ、たまに見つめる視線を投げ続けてきたり…
ベッドではやたらエロくて情熱的で、俺が欲しいと激しく乱れる。

ただでさえ茉歩が欲しくて堪らない俺は…
クールと情熱のギャップに煽られて、おかしくなりそうなほどその身体に溺れてた。


汗を絡ませ合って、唾液を混ぜ合って、お互いの痙攣を刻み合って…

その熱ともっと深く溶け合いたいのに、体という境界線がもどかしくて仕方ない。


今じゃこの関係も、もどかしくて堪らなくて…

茉歩は俺の事をどう思ってるんだ?


そして俺は…

茉歩が好きだと、込み上げてやまない感情に翻弄されてた。


そう、認める訳にはいかなくて。
気付かないフリをしてたけど…

きっとその感情は、もっと前から。



だけど茉歩は堀内《あいつ》のもので…

せめて身体だけは、一時的でも俺のものにしたくって。


だからとにかく求めて、ひたすら欲して…
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