欲情プール
「ヤバい俺…
茉歩の身体ナシじゃ、いられないかも」

「んっ、私もっ…」


だとしたら俺達は同じ気持ちなのか?

それを身体に問いかける。



「茉歩…、っ……」

後戯では愛しさが込み上げて、愛の言葉を口走りそうになったけど…
それを飲み込んで、口付けに変えた。


「お互い、名前ばっかり呼んでるね」

「他には何も、言えないからな…」


下手に気持ちを言って、茉歩の心に負担をかけるわけにはいかなかった。

そう、こんな関係で口にするべきじゃない。


だから俺は、感情を欲情にカモフラージュして茉歩を抱く。

身体で想いを伝えるように。



関係上は策略通りなんだろう。
だけどその時の俺は茉歩に溺れて、本来の目的を見失ってた。


どうしてこんなに溺れるのか…

溺れてる時に、冷静に考える余裕なんかあるわけなくて。


ただ酸素《まほ》が欲しいと渇望して…

俺は自分すら見失ってた。



そしてそのツケは当然やって来る。


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