欲情プール
「お前、自分の立場で言ってる意味、解るか?」

「わかるわよっ!
文句があるなら婚約なんて解消すればっ!?」


「なら、解消しようか?」

それは茉歩にも向けた言葉だった。
いっそ解消したいくらいだと。


そして出来るもんならやってみろという露美を、一刻も早くこの場から遠ざけようと…
部屋に戻るよう誘導した。


露美は堀内の妻( ま ほ )の情報をどこまで知っているのか…
俺は当初の策略どころじゃなくて。

茉歩に矛先が向かないように、これ以上嫌な思いさせないように…
敢えてその存在を無視して、視界に入れないようにした。




「悪かった。
お前の気持ちも考えずに…

お詫びに婚約は、明日にでも解消する。
今夜は俺も接待だし、お前も荷物をまとめる時間がいるだろう?」

とはいえあっさり解消されるのは、プライドの高い露美にとっては面白くないはずで。
すぐに解消されるのも、勘当された身だから困る訳で。


「えっ…
別にっ、そんな急がなくてもいーけどっ。

っ男なら、最後まで諦めずに頑張りなさいよねっ」


さらに堀内も手に入れてないとなれば、解消に至らないのはわかってた。
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