欲情プール
だけどその翌日。


「おはようございます」

何事もなかったように出社してきた茉歩。


「…もう来ないかと思った」

責任感の強さをわかっていながらも、半分はそう思ってたから驚いた。

そしてもう半分は、来ないでくれと…


こんな状態で関わり続けるのは辛い。
それに、側にいたら俺は自分の感情をセーブ出来る自信がない。

なのに、来てくれたのも嬉しくて…


すると。

「この状況を、ちゃんと説明して下さい。
私なら、何を聞いても平気なので」


何を聞いても平気、か…
一晩でこんなに落ち着くなんて。

それは俺に愛想尽きたからか、俺には微塵も気持ちがないからなのか…


なんにしても、巻き込まれた茉歩には知る権利があるし。
俺も今度こそ誠心誠意向き合って、ちゃんと正直に話したかった。


そうして。
まずは露美が俺の婚約者で、旦那さんの不倫相手だという事を正式に告げて。

武生社長の一人娘だという事や、婚約の経緯《いきさつ》なんかを話し始めると…
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