欲情プール
そう警戒するのも…

実は既婚者の私にまで、専務目当ての女子社員達から嫉妬の視線が向けられてるからだ。

とはいえ専務室で業務する私には、そこまで影響はないけど。

そう思った所で、ハッとした。


既婚者、って…


既に崩れそうなその肩書きに、改めてショックを受ける。




「ほら、もっと食え?」

ポンポン、っと。

強張ってた私の頭に、専務の大きな手が降ってきた。


「ーーーっ、」



クールな私は、今までそんな事をされた記憶があまりなくて…
必要以上に動揺が沸き起こる。

しかも今それをする関連性がわからない。


「っ、セクハラになりますよ?
むやみにしない方がいいと思います」


「嫌だったら訴えていいよ」


それは。
やめる気がないって事ですね…?

またしても我儘な専務に、ショックも吹き飛んで溜息が零れた。


すると。


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