スノー アンド アプリコット
「へえ…そうなの。」
肌を這う繊細な刺激から無理矢理意識を逸らして、あたしは嘲るように言ってやった。
「好きな女の下僕をずっとやってたってわけ。とんだドMね。」
すう、と空気が冷えた。
ダメだ。失敗した。あたしはすぐに悟った。
あたしの台詞は、ユキの何かのスイッチを入れてしまった。
「そんなこと言えなくなるくらい、啼かせてやるよ。」
逃げられない。ユキを意のままに扱うことほど、簡単なことはなかったはずなのに。
おかしい。悔しい。
無視できなくなってくる快感の波に、あたしは追い詰められる。
ユキの責め方は明らかに手慣れていた。こんなふうに拘束しているくせに、丁寧に、的確に、快感を引きずり出してくる。
いつの間に、こんな。
あたしは喘ぎながら思う。
いつの間に、こんな、男になってたの。
「や、あっ…」
キスをすれば、舌を噛み切られるとわかっていたように、あたしの全身から力が抜けきってから、ユキは唇を重ねてきた。
「…ん、ふ…ぅ…」
舌を絡め取られ、執拗に咥内を犯される。ねっとりとしていたそれは次第に、言葉もなく何かを訴えるように、激しくなってきた。
「んんっ…」
同時に張り詰めた胸の先端ギリギリまで指先で迫っては、離れ、また周りばかりをくるくると弄ぶ。
だめだ。頭が痺れてぼうっとする。だんだんあたしは自分がキスに応えているような気がしてきた。
もっと触って。
嫌だ。
気持ちいい。
もっと、もっと触って、嫌だ…!
無力なプライドだけが嫌だと叫ぶ。だけどあたしの口から漏れるのは、嬌声ばかりだ。
「やっ、あっ…!」
「…濡れてるぜ。」
下着の中に潜り込ませた指先で水音をわざとらしくたてながら、ユキ勝ち誇ったように言った。
尖った胸先を噛まれた。
「あっ、あん、あ…!」
電流が走り抜けるような刺激を与えられたのに、そのまま舌で胸先を転がされながら、蜜がとめどなく溢れるそこをなぶられて、あたしは身悶えする。