スノー アンド アプリコット
あたしは喉から彼が求める言葉をなんとか絞りだした。
「好き…っ、好きよ、ユキっ…!」
刹那、ユキがやっと、怖ろしいほどの熱を埋め込んできた。
まるで褒美だとでも言いたげに。
自分だって、一刻も早くそうしたかったくせに。
ユキのくせに。
一瞬、息が止まった。
「お前には、俺だけだ…」
あたしたちは無我夢中で求め合って、今日もまたきっと、このまま裸で抱き合って眠るのだ。
幸せな混濁の片隅で、あたしは。
馬鹿ね、必死にこんなことしなくても言ってあげるわよ、と。
明日の朝一番に、あたしを逃がすまいと抱え込んでいるに違いない、意外なほど力強い腕の中で、
好きよ、ユキ、
と、言ってやろう、と思って。
こいつはどんな顔をするのだろう、早く明日が来ればいいのに、と。
生まれて初めて、そんなことを思った。
fin.