蒼の王様、紅の盗賊
「───俺のおやつ....」
いや、一番大事なのは....そこなのか?バルト。
と、思わず突っ込みたくなるような呟きが虚空に漂い消えていくころ
バルトは、再びハッと思い出す。
「やべぇ....地図───」
そうだ。
お金も着替えも、バルトのおやつも入っているあの荷物の中に
もう一つ、大事なものが入っていた。
地図。
アスラが居るはずの、町外れの廃墟までの地図が
....あの荷物の中に入っていた。
「どうするんだよ、俺....」
この国の地理に疎いバルトは、地図がないと道が全く分からない。
正直言うと、方向音痴には自信があって地図があっても辿り着けない自信もあった。
地図もない。
お金もない。
楽しみにしていたおやつもない。
バルトは一人、呆然と
馬が駆けていった遥か彼方を見つめて立ち尽くした。