蒼の王様、紅の盗賊
〜3〜





「アスラが....アスラが捕まった───」



子供たちが去った後、ジルはひたすら考えていた。



ジルの気持ちとは裏腹に、清々しいまでに晴れ渡る空の下で
ただただ、ひたすらに。







「一番....一番望んでいなかったことが
起こってしまった───」



ジルは放心していた。

もっとずっと先のことだと....いや、一生起こらなくてよかったことが
今日、この日に唐突すぎる程あっけなく訪れてしまったのだから。







「───やはり私は....間違っていたのだろうか?

やはり、もっと早くに止めるべきだったのかのぅ。アスラよ」




悔やんでも悔やみきれなかった。



止めるべきだということは

辞めさせなければいけないことは....十分に分かっていた。



この国で盗賊として生きることが、どんなに危険で
いつだって命が危ないことだって

分かっていたはずなのに。





「私は───何ということを.....私は!」




そう。
いつだって自分は、アスラを止められたはずじゃないか。


「手助けは、もういらない」

「自分たちの力で生きていく」


たったそれだけの言葉で、彼女をいつだって
盗賊なんかじゃない、普通の少女に戻せたはずじゃないか。






───なのに。

なのに自分は、その言葉を言わなかった。
言うことが出来なかった。





 
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